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Case 8

■ 横紋筋組織

肉の組織を見てみよう


私たちが口にする牛肉や豚肉、鶏肉、魚肉などの「肉」は、ホルモンやレバーなどの内臓を除き、その多くから筋肉組織をみることができます。

筋肉組織を低倍率で観察すると、まるで糸のような繊維が並んでいるように見えます。

 これは、ベーコンの顕微鏡写真(100倍)。

写真はニンヒドリン試薬(タンパク質を紫色に染める試薬)で反応させたあと、肉をつぶして撮影しています。ベーコンも豚肉の塊からできるので、筋肉の繊維を見ることができます。


筋肉かどうかを調べるには、400倍以上で拡大すると良く分かります。

なぜなら、この筋肉繊維に垂直に並ぶ、指紋のような横紋筋組織が観察されるからです。

 これは、ベーコンを薄い切片にした後の顕微鏡写真。400倍で観察したものです。

筋肉繊維の表面に、うっすらとした指紋のような波が見えるの、わかりますか?
これが横紋筋組織の特徴です。






横紋筋は400倍に拡大できる顕微鏡があれば、切片技術がなくても、意外と簡単に見ることができます。

観察の仕方: 
  1. 肉をほんの少しだけスライドガラスに載せて、水を一滴を垂らす。
  2. スライドガラスを2枚重ねて、肉の両側を挟む。
  3. 強い力で押しまくる! 肉がペラペラの紙のようになるまでがんばって潰そう。
  4. 重ねたスライドガラスをゆっくりとはがして、一枚のガラス上にくっ付いている肉の上に、水を一滴垂らして、カバーグラスを静かにかける。
  5. 顕微鏡400倍で観察する。
これでピント合わせが上手く行けば、結構キレイな横紋筋組織が見られます。ぜひお試しあれ。




動物の組織
動物の組織は、上皮組織、結合組織、神経組織、筋肉組織に大別することができます。
その中で、筋肉組織は、組織学的な違いから、横紋筋、平滑筋、心筋に分けられます。

横紋筋の多くは 「自分で動かすことができる筋肉」 で、そういう筋肉のことを随意筋と呼ます。
腕や足、腹筋などの筋肉は横紋筋です。だから、ロースとかハムとかも横紋筋。
ただし横紋筋の中でも、自分で動かせないものも一部存在します(食道や横隔膜など)。

平滑筋や心筋は、「自分で動かすことが出来ない筋肉」 で、これを不随意筋と呼びます。
内臓や血管、心臓などがこれに当たります。





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