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異物検査
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検査の方法 何はともあれ観察


■異物検査は観察から始まります

異物が到着したらまずは観察。


今は異物を調べるための装置がたくさんありますが、見た目で「コレに似ているから」といって検査を始めると、万が一、最初の予測と違っていた時に「検体が無くなって検査ができない!」などのトラブルの元になりかねません。


だから、よく観察して調査して、どの検査方法を用いるのか、どの装置を使えばよいのかを吟味しなくてはなりません。


慎重に観察を行うことで、本当は必要の無い検査をすることがなくなりますので、早く結果をお出しすることができます。


異物の調査には、観察が最も重要な部分だといっても過言ではありません。




 検体の測定

異物の中で、比較的大きな部分は定規や巻尺を使って測定します。
でも、1mm以下の大きさのものを測定するには、定規では不十分。
正確には測定できません。

異物の大きさは、異物を特定するために必要な重要なファクター
どんなに小さくても、なるべく正確に調べなければなりません。

そこで出てくるのがマイクロメータ

マイクロメータを使うと、定規では測れないような小さな異物や未知物質をミクロン単位(mmよりももっと小さい単位)で測定することができます。
尚、マイクロメータで測れないくらい小さなものや、触ると潰れてしまうダニのようなものは、光学顕微鏡の接眼マイクロメータで測定します。


 身近なモノの大きさ
・ホコリに含まれる繊維の一本の太さ 0.01mm〜
・ポリ袋の厚さ 0.01mm〜
・羊の毛(セーターなど)の一本の太さ 0.03mm〜
・髪の毛の一本の太さ 0.06mm〜
・紙の厚さ 0.05mm〜

喫茶店から発見された
ケーキの表面に付着していた異物右側の写真はチーズケーキの表面についていた
異物。写真の下側にある目盛が定規です。

ひとつの目盛が1mm。
つまり、この異物は、長さ7mmでした。

さて、太さは・・・というと、1mm以下なのは確かですが、定規では正確な数字を出すことができません。


そこで、写真の異物をマイクロメータで測定したところ、
・細い部分の太さはで0.250mm
・太い部分の太さは0.650mm
で、太さにばらつきがあることがわかりました。
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 実体顕微鏡での観察・・・異物を拡大して、顕微鏡で調べます

次に「実体顕微鏡」という拡大するための顕微鏡で観察します。


実体顕微鏡は上から光を当てて観察するので、目視(ルーペや虫眼鏡)と同じような観察をすることができます。また、倍率を自由自在に変えられるのでとても便利。虫眼鏡よりも大きく観察することができます。


この時点で質感や色、その他の特徴なども観察します。


異物を実体顕微鏡で拡大右側の写真は上の異物を拡大したもの。
拡大すると、表面がデコボコしていて、
繊維や毛や鳥の羽ではないようだということが
わかりました。

質感は、比較的やわらかい物質だということが
わかりました。
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 光学顕微鏡での観察・・・異物を透過観察して、詳細に調査します
次に「光学顕微鏡」という透過観察するための顕微鏡で観察します。

光学顕微鏡は倍率が固定で、40倍、100倍、200倍、400倍、1000倍の5つの拡大倍率で観察することができます。

下から光を当てて観察するので、光を通さないゴムのようなものは黒い塊に見えてしまいます。だから、光を通さないものを観察することはできません。
このことは、「光を通さない物質」という特徴が得られるとも言えます。

異物の光学顕微鏡写真
(100倍で観察)右側の写真は上の異物を透過観察したもの。

異物は光を通しにくい物質だということがわかりました。

でもこのままじゃ何も特徴が得られません。
異物を潰して光学顕微鏡で観察(100倍)
そこで、異物を潰して観察してみることにしました。

40倍の倍率で、右の写真のような光学顕微鏡写真が得られ、異物は小さな粒が集まっているようなもののようだということがわかりました。

異物を潰して光学顕微鏡で観察(400倍)
さらに400倍に拡大してみると、結晶のようなものが観察されました。異物は何かの結晶を含む物質のようです。
・・・次の検査につづく・・・
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 電子顕微鏡での観察・・・電子顕微鏡で観察することもあります
普通の顕微鏡では観察できないようなとても小さなものや入り組んだものを調査するときには、電子顕微鏡(SEM)という特殊な顕微鏡を使います。電子顕微鏡(SEM)で観察すると、、異物の表面の具合などがとてもよくわかります。
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