法人のお客様はこちらをご覧ください 異物総研 個人のお客様用ホームページ  異物検査とその予防方法
異物検査
トップページ サイトマップ
法人のお客様はこちらをご覧ください




Case 10

■ えのき茸の根元の部分

木片に見える異物だけど・・・?



異物 ←今日の異物はこれ。

これは 野菜炒めセット に入っていたものです。
野菜炒めセットとは、数種類の野菜があらかじめ切られている一人暮らしの方に優しい野菜セットのこと。色んな野菜が入っているので経済的だし、異物検査員も一人暮らしをしていた時にはお世話になりました。(笑)





さてこの異物ですが、一見すると木片のように見えました。
でも、そのもの自体がボロボロと崩れるようなモロさがあり、一般的に言う「木片」と違っていました。

そこで、光学顕微鏡で観察してみたところ、細かい植物片菌糸が見えました。

異物の顕微鏡写真 ←異物の顕微鏡写真。

菌糸というとカビ!?と恐れてしまいがちですが、いつも見ているカビの細胞よりも大きいし、細胞の隔壁が少ないし・・。胞子は見えないし・・・。
???。





とりあえずわからないことは後回しにして、細かい植物片を中心に観察してみました。

すると、木の組織で見られるような細胞がた〜くさん観察されました。
師管も見られて、その師管の形は木の組織に似てるし・・・。 んん? どういうこと?

この異物が木片とは違っている点というのは、一つ一つの植物片の細かさです。
材の特徴である放射組織も見えないほど、一個の破片が小さいのです。

・・・ってことは、木片が細かくなったものの可能性があります。
もしかして、おが屑かも。 おが屑って、木を切ったときに出る、粉のようなクズのことだし。





そこでパッとひらめく検査員。

あ、これ、えのき茸の根元の部分かも。


えのき茸って人工栽培でおが屑で育てているらしいし、キノコだから菌糸が見えてもおかしくないし。





早速、「えのき茸」を購入して、根元の部分を確認しました。

えのき茸 ←購入したえのき茸

えのき茸の根元の部分 ←えのき茸の根元の部分

えのき茸の根元の部分の顕微鏡写真 ←えのき茸の根元の部分の顕微鏡写真

えのき茸そのものの顕微鏡写真 ←えのき茸そのものの顕微鏡写真



顕微鏡で見てみると、嬉しくなるくらい顕微鏡像が似ていました!
木みたいな植物の大きさや形、えのき茸の菌糸の色、大きさ、細胞壁の形。
・・・どれをとってもよく似てる!

というわけで、この異物は、えのき茸の根元の部分と推測されました。

えのき茸
キシメジ科に属する白色腐朽菌の一種。広葉樹のエノキやカキ、コナラなどの枯れ木の根元や切り株に生えるキノコです。昔から食用とされており、今では人工栽培が盛んで私たちの食卓を飾ってくれますね。

人工栽培のえのき茸は白くて細長いですが、野生のえのき茸はカサが大きくて、色も褐色に近いとのこと。甘みやネバリが強くて美味しいそうです。一度野生のエノキを食べてみたいものですね♪





前のページへ 次のページへ
INDEXへ 種類別検索へ


お問合せ・ご注文はこちらから
異物総研株式会社
   Copyright(c) 2007 IBUTU Research Institute, Co.Ltd. All Rights Reserved.