竹串の先かどうか?
竹串を使っている商品から、竹串のコゲのようなものが混入していたという異物がありました。
コゲのようなものっていうことは、見た目で竹なのかその他の植物なのかはわかりませんよね・・・。
しかも、植物の主成分はセルロース、つまり炭素と酸素。
竹とその他の植物の差なんて、元素分析での差はないだろうし。
機器分析で、スイッチポンで分かればいいのになぁ・・・。
だから、頼りになるのは顕微鏡観察。
でも、難しいのはコゲの切片をどう作るかということ。
もし、コゲが進行していて、全部が全部コゲだったら切片が上手に作れないかもしれないし、顕微鏡観察ができないかもしれない。どきどき。
というわけで、実際に異物を見てみたところ、表面だけがコゲていて、中身は無事でした!
ようし、組織切片が作れるぞ~。
早速、異物と竹串を薄くスライスし、切片作成!
顕微鏡で観察したところ、異物と竹串は、全然違う顕微鏡像が見えました。
← 異物の顕微鏡写真
← 竹串の顕微鏡写真
どこが違うか・・・というと、まず、細胞の形!
異物は細長い細胞が並んでいましたが、竹串は四角い細胞が並んでいました。
もっと大きな違いは、異物にだけ、垂直方向に走っている細胞群が見えました。
これ、専門用語では、「放射組織」っていうんですけど、木 (材) の特徴なんですよ。
つまり、
異物は木片のコゲであって、竹串のコゲではないことから、商品由来ではない可能性が高いことがわかりました。
木片のコゲで細長いものには爪楊枝由来のものも多いです。
トースターやグリルなどを用いてベーコン巻を焼いた場合など、押さえに使っていた爪楊枝の先端がコゲて折れてしまい、知らず知らずのうちに調理器具内に残っている場合もありますから、ご家庭で入った可能性も考えられますね。
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