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Case 27

■ 毛の混入対策 その2

ペットなどの動物の毛(獣毛)の混入対策

前回、毛の異物の対策は難しいという話をしましたが、今回はそのつづきです。

毛の異物の中には、人の毛以外にも、写真のようなネコの毛や、イヌの毛などがあります。
これらは 「ペット」 由来の異物と考えられます。
こうした動物毛が食品工場内で発見された場合には、
作業衣の表面から毛を除去できなかった、と考えなくてはなりません。

ネコの毛の顕微鏡写真 ← ネコの毛の顕微鏡写真。

昨日、色んな対策を練ってもゼロにならないのが毛の異物 だと書きましたが、
その理由の最たるものが、作業衣の表面についている毛を 100% 取り除けないからなんですよね。



エアーシャワーの落とし穴
「ウチの工場ではエアーシャワーを導入しているから大丈夫!」
と仰る方もいらっしゃるかもしれませんが、エアーシャワーにもとし穴があります。
エアーシャワーは作業衣の表面についている毛やホコリを吹き飛ばしてくれますが、
エアーシャワーの 噴出し口は 気流の関係で 髪の毛やホコリが溜まり易い んです。
だから、ヘタをすると、吹き飛ばされた毛がぐるりと回って、
再び衣類に付いちゃうってことにもなりかねないんです。

そこで、エアーシャワーの噴出し口 (の周り) に粘着シートを貼り付けておくという処置がよくとられています。



コロコロタイプの粘着テープ
意外と効果があるのが、コロコロタイプの粘着テープ。
二人一組で、背中や太ももの裏側をコロコロ。 アナログ方式ですが、これが効きます。
でも経費削減などと言って、粘着テープの取替えをケチると、
粘着力が無くなって意味がなくなりますので、粘着テープの取替えはケチらない方がいいです。

シフトの関係で二人一組が厳しいところでは、自分ひとりでも背中の毛を取れるようにと、
大きな粘着シートを壁に貼っているところもありますが、
やはり自ひとりでやるよりも二人でやった方が断然効果が上がるようです。
人の目で見ながら注意深く取り除くのが一番確実っていうことでしょうね。



動物毛が付着している人
さて、ペットなどの動物毛がついてしまう経過についてなんですが、
ペットを飼っていらっしゃるところでは普通のことですよね。
そのため、製造工場内では
 「ペットを飼っている人が、自分に付いていた毛を取り除かなかったことが原因だ」 
と問題視されることがよくあるようです。

でも、この考え方は微妙だと思っています。

以前、異物検査員は、自分の洋服に付いていた毛を採取して調査したことがあるんです。
その時、私はネコの傍に近寄ったこともなかったのに、
服から多くのネコの毛が検出されてとても驚いたんですよ。
自分に覚えがなかったので周りの人に尋ねてみたら、家でネコを飼っている方がいらっしゃったんです。
おそらく、その方に付いていた毛が空調などで舞って、私の服に付いたんだと思うんですよね。

このことから、動物毛は、ご自身がペットを飼っていなくても、
ペットを飼っている人に近づいたり、同じ部屋にいたりするだけで
体に付くと考えていた方がいいようです。

動物毛は軽いので、空気中に舞いやすいんでしょうね。

そのため、もし、ペットを飼っている人が極力注意を払っていたとしても、
ペットを飼っていない人が、さほど注意を払わなかったら・・・
 「ペットを飼っている人が、自分に付いていた毛を取り除かなかったことが原因だ」
とは言えないんじゃないかと思うんです。


ペットを飼っていようがいまいが、
すべての人が 同じように注意を払って、毛髪対策をする ことが重要なんですね。










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