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Case 29

■ 食肉の検印

お肉の検印について調査しました。

こんにちは。異物検査員です。

異物検査員はここ数日、 「お肉の検印」 について調査していました。
今日はその調査結果をお知らせしますね。



お肉の検印ってナニ?
検印というのは、お肉の表面に押すスタンプのことです。
この検印が押されていると、 「と畜検査に合格しましたよ」 という証明になります。

でも、私たちが買うお肉には、スタンプが押されているものなんてありませんよね?

そう。 このスタンプは、私たちの目にはほとんど入りません。
なぜなら、このスタンプは枝肉の状態で押されるからです。




枝肉ってナニ?
枝肉というのは、私たちが購入するお肉 (精肉) になる前の、でっか~い塊のこと。
と畜場で処理・解体された牛や豚などのお肉は、 “と畜検査員” という専門家によって様々な検査を受け、出荷してもいい肉かどうかが判断されます。




検印が押される時はどんな時?
と畜検査員によって検査合格! となったお肉には、検印という名のスタンプが押されます。
検印は動物の種類によって形が違っていて、印の中には検査した場所の地名が入っています。
日本で処理・解体されて流通しているものには、日本で決められたスタンプが押され、
海外で処理・解体されたものには、それぞれの国で決められたスタンプが押されます。




なぜ私たちが買うお肉にはスタンプが付いて無いの?
お肉は枝肉のまま出荷されることはないようです。
枝肉が精肉になるまでには、大割り・小割りという作業を経て部分肉にしなければなりません。
そうやって出来た部分肉がお店などに流通し、お店でさらにスライス・ミンチになり、
ようやく私たちの食卓へと運ばれていきます。
これらの分割作業中に、枝肉表面のスタンプが取り除かれるので、
私たちが買うお肉にはスタンプが付いていないのです。

※ここまでの調査内容は、各と畜場のホームページから勉強させていただきました。ありがとうございました。




検印の成分ってナニ?
日本で使われる検印の成分は、 と畜場法 という法律によって定められています。
厚生労働省の 厚生労働省法令等データベースシステム から引用しますね。

○と畜場における検印インクについて (昭和四七年一二月二七日、環乳第一三三号) 
食 用 赤 色  一○五号  九・四g
食 用 青 色    一号  一・三g
八○%エタノール       九○ml
グリセリン          一○ml

または

○と畜場における検印インクについて (昭和六一年八月二五日、衛乳第三八号)
① 食用赤色一〇六号 三g
② 食用青色一号 一g
③ タンニン酸 五g
④ クエン酸(結晶) 一〇g
⑤ グリセリン 五ml
⑥ 九五%エタノール 四九ml
⑦ 蒸留水又は精製水 三五ml

このことからわかるように、日本の検印スタンプは、赤色青色が混ざっているので、紫色をしています。
一見、毒々しい色をしていますが、食用の着色料が用いられているので、万が一食べても毒ではありません。




輸入肉のスタンプの成分は?
輸入肉の検印は、その国によって違うようです。
今までの経験上、食用赤色3号や食用赤色40号を主成分とするものがあり、日本とは違って赤色をしていました。・・・どこの国かはわからないんですけど。

尚、輸入肉の検査は、厚生労働省の地域機関である検疫所で行っているらしくて、日本国内で認められていない着色料が入ってこないように調査しているそうです。

※ここまでの調査内容は、厚生労働省の担当者の方から丁寧に教えていただきました。ありがとうございました。




検印以外のスタンプ~等級印
ここまでの調査で検印についてはよく分かったのですが、調査を進めていくと、お肉に使うスタンプは、検印だけじゃないことがわかりました。

それは・・・等級印

等級印というのは、社団法人日本食肉格付協会で行っている 「お肉の格付」 を示す表示です。
皆さんも聞いたことがありませんか? A5ランクの最高級牛肉! とか。 (おいしそ~)
この 「A5ランク」 というのが等級で、等級にあわせたスタンプがお肉の表面に押されるんだそうです。

※ここまでの調査内容は、農林水産省の担当者の方から丁寧に教えていただきました。ありがとうございました。




等級印の成分は?
等級印の成分については、社団法人日本食肉格付協会に直接尋ねてみました。

等級印の成分 (社団法人日本食肉格付協会より)
食用赤色102号
グリセリン
PVPP (糊のような役目を果たす添加物です)
エタノール
蒸留水

着色成分としては食用赤色だけが使われているので、等級印は赤色をしているんですね。

※ここまでの調査内容は、社団法人日本食肉格付協会の担当者の方から丁寧に教えていただきました。ありがとうございました。




検印以外のスタンプ~その他
そのほかに、厚生労働省の担当者の方からお伺いしたのですが、業者によっては検印や等級印以外のスタンプを押していることもあるかもしれない、ということでした。日本の食品添加物として認められている着色料であれば、特に問題はないようなんですよね。

ほほう~ 色々と勉強になりました!

では次回は、 「肉のスタンプが異物になったとき」 の検査内容についてご紹介しますね。








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